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ターミナルがダサいとモテない。IT エンジニアの成長に必要な要素

今日はちょっと真面目に IT エンジニアの成長に必要な要素を考えてみました。

Photo by micheile henderson on Unsplash

Unsplash いいね!なんか grasys の Logo っぽいね。

私は Unix 系の IT インフラ系エンジニアをルーツにしていて、今は会社経営をしていますがやっぱり IT が好きで、コンピュータが好きでコンピュータを取り上げられたら単なるおじさんになってしまうんじゃないかと日々自分のアイデンティティを心配していますw

立場的に採用面接をかなりの数していて、採用面接なのにキャリア相談みたいな雰囲気になってしまうことが多いので、今日は自分なりの考えをまとめてみようと思いました。

IT エンジニアの成長に必要な要素

grasys は Diagram に Lucidchart を使っています。これは Lucidchart で作りました。

それぞれの所有権や提供元、そしてそれらが微妙に交わっているということを表現しています。(私はセンスに自信がないので、こういう図を作るの苦手ですw)

IT エンジニアの成長に関わる要素はざっとまとめるとこうなのではないかなと・・・

  • Axis : 個人の思考、マインドセット、軸
  • Assets : 個人の資産
  • Field : 会社が提供できる場
  • Cycle : コミュニティからの情報

もっと噛み砕くと以下です。

  • 上: 自分自信
  • 下: 自分以外

自分以外には会社も含まれていますし、会社のコミュニティもそうだと考えています。

(ちょっと体系化して間もなく、まだ固まりきってないので多少曖昧さやゆらぎがありそうですが・・・)

Axis: 個人の思考

ここではキャリア設計、精神性、動機、ポジショニングの 4 因子を上げています。

キャリア設計

めちゃくちゃ重要です。

わからないなら先輩に相談しなさい!
というかうちの面接を受けに来なさいw

20 代、30 代と年代で 5 年刻みくらいで設計すると良いと思います。

例えば IT のプログラマのキャリア的なゴールってどこにあると思いますか?

ここで上げるのはあくまでも例ですが

  • 開発部門の管理職
  • CTO
  • 起業

想像しやすいところだとこのあたりじゃないでしょうか?
(もちろん他にもあると思いますよ。)

たまたまこの post にたどり着いた若い人たちへ
良い機会なので考えてみると良いと思います。

因みにですが、私の知人などで優秀な人達はとっても明確です。
みんなそれなりに自分の考えを持っていて自分のアイデンティティを確立しています。

20 代後半で慌てて計画立てても実は遅いです。
やはり優秀な人達は 20 代中にいろいろなことが決まっている人が多い印象です。

ただ人それぞれ人生にはいろいろあるので、遅いってことはなく
もし人より計画立てたのが遅いのであれば、その計画を短くするにはどうすればよいかを考えるべきですね。

精神性

自分もそれなりに年齢を重ねてきました。
四捨五入したら 50 代です。

そのそれなりの年数のなかでたくさんの IT エンジニアと仕事をしてきましたが、IT エンジニアで創造性に溢れる人は、傾向的に「やってみようの精神」が在る人だと思うことが多いです。

思慮深く、設計し行動に移すタイプのエンジニアもたくさんいますがそういうことではなく、もっと根源的な部分について言っています。

新しい OSS やツールが出てきて興味だけで触ってみようとか
そう思える人が IT エンジニアには向いてるのではないかと思います。

自分もそのタイプです。
最近では NeoVim で mcphub.nvim を見つけて、個人的に大騒ぎしました。

動機

精神性の「やってみようの精神」にも近いのですが、

  • 好奇心・興味
  • 凝る力・追求心
  • 夢中
  • 趣味化

こういった要素を IT の技術周りで持ってる人は特性としてとても向いてると思います。
若干、継続的要素も必要で集中特化の要素もあるので、非認知能力にもつながる部分かもしれないですね。

こういった要素を持つと「生活の変革」がおきて、プライベートでも IT 系の技術をおいかけていたりします。

Google Chrome の Discover 機能は恐ろしいですね。

自分の趣味や好みが完全にトラッキングされていて、好きなものがたくさん抽出されます。

私の場合は

  • IT 系技術
  • IT 系ニュース
  • 経営
  • HR 系
  • steam
  • geforce now
  • スピーカーとかイヤホン・ヘッドホンなど
  • バイク(大型二輪持っているのです!引退したらインチアップした Indian Scout Bobber 乗りたい)
  • アクセサリー(年代的に若い頃とても流行っていたので、シルバーアクセが好きです)
  • ウィスキー(最近コレクションを始めました)

こんな感じでした。
やっぱり IT 系の情報が一番上に来ますし、量も多いです。

個人的に思うのですが、この世界はプロフェッショナルで成り立っている。そう思っています。
みんなのお父さんお母さんは何かのプロなんだと思います。
例えば、私の祖父は 4 代目の宮大工でした。

IT エンジニアである自分が言うのも変なんですが、例えば別の職種だった場合

  • 美容師さんだったら、街行く人のヘアスタイルが気になったり、生え際が気になったり・・・
  • 料理人さんだったら、外で何か食べる機会があればその料理についていろいろ考えたり・・・
  • 服飾デザイナーさんだったら、街行く人の服装が気になったり・・・
  • Web デザインや DTP されてる人だったら、世界はこんなにもデザインに溢れているって思ったり・・・

あなたが IT エンジニアかどうかは Google Chrome の Discover が教えてくれると思います。
(オレは「DuckDuckGo だぜ」、「OceanHero だぜ」、「Perprexity AI」だぜって方はできません)

ポジショニング

自己理解や役割理解です。

この自己理解をすることでキャリア設計が更に詳細になりますし、役割理解は企業で活躍する上でとても重要な要素です。
また自己理解がなければ役割理解はできないと思います。

役割とは、今期待されているものや自分の能力も含めた組織内での立ち位置であったりセルフブランディングであったりします。

自分は役割を語れるほど、しっかりしてもいないし大人ではないので ChatGPT 先生や Google 先生に聞いてみてくださいw

Assets: 個人の資産

ここではスキル、知識、経験の 3 因子を上げています。

スキル

これは明確で説明する必要もない気がしますね・・・

  • プログラミング
  • フレームワークの活用
  • 実践力
  • 応用力

まだ他にもたくさん上げられると思います。

知識

これもかなり明確で細かい説明いらずな・・・

  • アーキテクチャ(設計原則、デザインパターンであったり
  • コンピュータサイエンス基礎
  • Open Source Software
  • セキュリティ
  • バッドノウハウなどの蓄積

もっといっぱいあると思います。

経験

これも説明いらずですね。

  • 様々なシステム
  • システム障害、トラブル対応
  • 課題、問題解決
  • 成功体験や失敗体験

もっといっぱいあると思います。

そしてこれらはあなたの資産です。

最近考えたことなのですが、ある方とお話していて IT エンジニアの採用ができないという課題をお聞きしました。

いろいろお話を聞いていて感じたのは、技術の捉え方が個人と法人では異なるということ。

自分が変なのかもしれない。IT エンジニアで創業者でもあるから・・・

私個人としては技術そのものは法人のものではなく、個人のものであると考えています。
法人には過去いろいろな人が残していった積み重なっている技術的資産があるだけなのではないかと・・・

例えば、高度な技術がうまくパッケージングされ、たくさんの IT エンジニアにスムーズなスキルトランスファーがされる仕組みなどは会社が持つ技術的資産だと思います。

ここは間違えてはいけない気がします。

Field: 会社が提供できる場

ここから会社が提供できるものの話になります。

実践、裁量、文化、環境の 4 因子です。

実践

これには大きく分けて 2 つあると思います。

  • Assets: 個人の資産であるスキル、知識、経験の適用
  • 課題・問題解決

課題や問題の解決は、生きたシステムがなければなりません。
生きたシステムで本当の課題や問題が発生するからです。

そして課題や問題の解決に必要な要素としては

  • ヒアリング能力
  • ドメイン理解
  • 要件・仕様の理解
  • 設計力・技術選定
  • スケジュール(見積もり、優先順位付け、リスク管理など)
  • コミュニケーション能力(調整、伝達、チームビルドなど)
  • 運用保守(障害対応、ログ分析、トラブルシュートなど)

こういった要素を「場」として、体験したり経験したりできるのではないでしょうか?

裁量

また IT エンジニアとしてある一定の資産を持ったら、次に重要なのが裁量です。

この裁量はとても技術的活動に影響を与えます。

  • 技術選定の自由
  • 役割の柔軟性

こういったものが重要だと私は考えています。

文化

この文化とは挑戦や失敗に対する姿勢です。

  • トライ & エラー
  • 変化
  • 挑戦

これらが会社の文化としてあるかは成長に寄与する経験値の差を生みます。

トライ & エラーに関しては

  • 小さな失敗を繰り返すことで大きな失敗を防ぐ
  • 失敗に寛容
  • 学びに変える文化

このようなものがあると思います。

また会社が技術的に変化しているかという要素も必要です。

新しいものに挑戦できる土壌があるかも大切にした方が良いと思います。

何より、飽きるから新しいことにどんどん挑戦したくなりますよねw

環境

会社の提供できる環境についてで、ここにはいろいろな要素があります。

  • 貸与されるコンピューターの性能
  • ディスプレイ
  • 椅子、机
  • 社内にレベルの高い技術者がいる
  • 自分より何かの分野で詳しい人がいる
  • 技術者が多い
  • モダンな技術スタックを活用している
  • 上司が技術に対し理解がある
  • 経営陣が技術を理解している

もっといっぱいあると思いますのでここでは一例としてこれらを上げさせて頂きます。

これらは IT エンジニアとして、とても重要な要素だと思います。

なんとなく当たり前のものを上げたつもりなのですが、grasys はこれらを Field として持っていると思います。

業界

そして最後に重要なのが業界です。

これはどんなドメイン知識を持っていて、何を専門としているかを表すものになるので、キャリアパスの計画などにも大きな影響を与えると思います。

また自分が何に貢献するのかという点も明確化できます。

例えば異なる業界を見たとき、自分が技術的に何に優れていて、何を解決できているかといった活躍の Field を見つける指標にも使えると思います。

Cycle: コミュニティからの情報

コミュニティにしっかり属すというのも大切だと思います。
会社もそうだし、技術コミュニティもそうです。

主に Input と Output の 2 種類にまとめました。

Input

他者からの Input はいろいろあると思います。

会社というコミュニティから得られるものであったり、人脈もそうですね。

例えば会社のコミュニティから得られる話の例を上げます。

最近、社内でちょっとあった話として
ある開発者が VSCode を使っていて、横で NeoVim の話をしていたら興味が湧いてきたらしく、NeoVim を触り始めました。

彼女は VSCode と NeoVim の違いについてこう教えてくれました。

VSCode は拡張入れたりはするものの、ある程度デフォルトでも開発ができる。
NeoVim は自分で作っていくエディタ。

彼女は今では Cursor を触っていますが、NeoVim を触るまで VSCode の細かい設定にこだわらなかったそうですが、キーマップの設定変更したりといろいろカスタムして効率を上げようとしているそうです。

これは周りのエンジニアから受けた影響だと思います。

社内でコードを読んだり、レビューして貰ったりも重要ですが
周りに IT エンジニアがいれば、それぞれの興味や好奇心から収集された情報もキャッチアップできます。

これらはとても大きい要素と考えています。

Output

会社に所属していれば、Blog 書け〜とか登壇しろ〜〜とかいろいろ言われると思います。

これも重要な経験ですね。

grasys ではコードレビューなどとは別で以下のようなことをしています。

  • blog
  • LightningTalk
  • ナレッジベース
  • 登壇

人に見せるとなったらいろいろ準備しますよね
自分が正しいか再確認したりもすると思います。

もちろん誰かに何かを教えたりすることもあると思います。

そういった循環する学びもとても重要ですね。

ちょっと偉そうにいろいろ書いてしまいましたが・・・

IT エンジニアとして、IT 系の会社を創業し経営している者としていろいろ考えるところがあり書いてみました。

まだちょっとまとまりのなさやゆらぎがあるかもしれませんが、参考になったら幸いです。

grasys ではこのような方々を募集しています。

  • Google Cloud 触りたい
  • Cloud 大好き
  • Linux 大好き
  • Python 大好き
  • Rust 大好き
  • OSS 大好き

ターミナル環境について他の記事も書いているので、よろしければこちらもご覧ください!
『ターミナルがダサいとモテない』シリーズ一覧

転載:ターミナルがダサいとモテない。IT エンジニアの成長に必要な要素


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