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開発ストレス半減&オンボーディング加速!Devinがもたらすチーム開発の未来

「ああ、またIssue作成か…」「プルリクエストのコメント、何て書こう…」「レビューの指摘、ちゃんとPRコメントにも反映しなきゃ…」「新しいメンバーに、また一から説明か…」

チームでソフトウェア開発を進めていると、こんな風に感じる瞬間はありませんか? 本質的な設計やコーディングに集中したいのに、Issueの作成、プルリクエスト(PR)のコメント作成、レビューによる変更箇所のドキュメント修正、Issueステータスの更新といった、作業するための作業に追われてしまう。時には、忙しさの中でPRコメントの修正を忘れてしまったり…そんな小さな綻びが、後々の混乱や手戻りを生むこともあります。

また、新しいメンバーがチームに加わった際のオンボーディングも、大きな課題の一つです。丁寧に説明する時間は確保したいけれど、日々のタスクに追われて十分なサポートができなかったり、質問する側も遠慮してしまったり。結果的に、新メンバーが本来の能力を発揮するまでに時間がかかってしまう…そんなジレンマを抱えているチームも少なくないでしょう。

Devinを導入してまだ2週間ですが、Devinがチーム開発でストレスが溜まりやすい部分で使うと効果的ではないかということが見えてきたためご紹介します。

使い方1:煩雑な定型作業からの解放

開発者の時間は非常に貴重です。集中してコードを書き、複雑な問題を解決し、新しいアイデアを生み出す… 本来、私たちはそうした創造的な活動にもっと時間を使いたいはずです。しかし現実は、日々の業務の中で、以下のような「定型作業」に追われているのではないでしょうか。

  • Issue作成: バグ報告や機能改善のアイデアを、決められたフォーマットに沿って詳細に記述する。関連Issueを探してリンクを貼る。担当者を割り当てる…
  • プルリクエストコメント: 行った変更内容を分かりやすく記述し、レビュー担当者に意図が伝わるように体裁を整える。

これらの作業一つ一つは小さくても、積み重なるとかなりの時間と集中力を奪っていきます。せっかくコーディングに没頭していたのに、PRコメントの体裁を整えるために思考が中断される…そんな経験はありませんか?

Devinを使うことでこれらの作業をDevinにまかせて、クリエイティブな開発作業に集中することができます。

Issue作成

以下のSlackメッセージのように、ひとことだけ、作業内容に関するissueをつくってほしいとDevinに伝えるだけで詳細なIssueを作成できます。ひとことしかDevinには伝えてない場合は、細かい部分が自分の中の想定と異なっていることがありますが、追加でDevinへ指示することで修正を反映してくれます。

プルリクエストコメント

Devin自身が作業したことでなくてもcommitの内容を読んでPRへ変更内容をDevin経由に反映させることができます。単にDevinに記載させることが目的でなく、レビュアーにわかりやすい文章を書くとなると、開発者の時間を余分に消費してしまうため、Devinに書き出させることで、レビュアーは変更内容を理解しやすくレビュー時間を短縮でき、実装者はPRの作成時間を短縮でき次の作業の着手を早めることができます。

使い方2:開発者のストレス軽減

PRを作成してレビューを待っている間にブランチを切り替えて他の作業に集中して取り組み始めたときに、レビューが返ってきた経験はないですか?次の作業の見通しがたって実装を開始したところで元の作業に戻らされる。今やっている作業をstashしてブランチを戻して、指摘事項を反映して、コミットメッセージ書いて、commitして、pushして、指摘コメントに返信して、再レビュー依頼する一連のプロセスを想像するだけで煩わしくてストレスになりますね。

こういう場面においてDevinを使うと効果的です!DevinはDevin自身が作ったPR以外も見ることができます。レビュー指摘を確認して指摘の反映が必要であれば、以下のslackのメッセージのようにひとこと、Devinにレビュー指摘のURLを渡して対応をお願いすることで自動で対応してくれます。

また、曖昧なレビューコメントで安易に返信するとレビュアーと衝突しそうなときもDevinに中継してもらうことで無駄な衝突も回避できるかもしれません。

使い方3:新規メンバーのスムーズな参加

新しいメンバーがチームに加わることは、チームにとって大きな活力となりますが、同時にオンボーディングは多くのチームが課題を感じるプロセスでもあります。プロジェクト固有のルール、膨大なコードベース、点在するドキュメント、そして言語化されていない「暗黙知」。これらをキャッチアップするには時間がかかり、既存メンバーも日々の業務の中で十分なサポート時間を確保するのが難しい場合も少なくありません。質問したくても「こんな初歩的なことを聞いていいのだろうか」「忙しい先輩の時間を奪ってしまうのでは…」と、新メンバーが遠慮してしまうこともあります。

Devin WikiとDevin Searchは、こうしたオンボーディングにおける双方の負担を軽減し、新規メンバーがよりスムーズにチームへ参加できるよう支援してくれる可能性を秘めています。

Devin WikiはGitHubのリポジトリを連携することでDevinが自動でリポジトリ内のコードを分析してWikiを作成してくれる機能です。Wikiが更新されるタイミングは2025年4月23日時点で公式ドキュメントに記載がありませんが、自動で最新のコードに基づいてwikiを更新するため、コードとドキュメントの乖離がなく新しくジョインしたメンバーが古い情報をもとに作業を進めてしまう問題が解消できます。

以下のようにDevinはダイアグラム付きのWikiを生成するため、文章だけよりも分かりやすくなっています。

Devin Wikiではコードベースのアーキテクチャについて理解はできますが、実際に作業するときにどのファイルで作業するのかといった細部までカバーしきれないところがあります。そこで活躍するのがDevin Searchです。Devin Searchはコードベースに関する質問に対して具体的なソースコードを提示しながら回答するため、コードベースを把握できていない新規メンバーでも迷うことなく修正したい箇所にたどり着くことができます。

以下の例ではAPIサーバのメモリサイズを変更する方法についてDevin Searchで問い合わせています。修正前はデフォルトのメモリサイズが適用されており、明示的に指定されていないためIDEでプロジェクト内をデフォルトのメモリサイズである512Miで検索しても簡単には見つからないですが、Devin Searchを使うことで該当するファイルとそのファイル内の具体的な行番号まで知ることができます。

まとめ:Devinと共に、チーム開発の未来へ

この記事では、Devinをチーム開発で活用する具体的な方法と、それによって私たちが実感し始めているメリットについてご紹介してきました。

煩雑なIssue作成やPRコメント作成からの解放、面倒なレビュー対応の自動化、そして新規メンバーの自律的なキャッチアップを支援するWikiやSearch機能… これらが、チーム開発における日々の課題を解決する具体的な道筋となることを感じていただけたのではないでしょうか。

Devinの導入時は、Devinに実装作業そのものを支援してくれることを期待していましたが、実際にチームで活用してみると、それ以上に、チーム開発という体制だからこそ発生する、コミュニケーションや付随作業に伴う日々の細かなストレスを和らげる点に、予想以上の価値があることが見えてきました。

コードを書くだけでなく、時にはレビュー対応を代行し、時にはメンバー間のコミュニケーションの緩衝材となり、時には新メンバーの良きガイド役となる。Devinは、単なるコーディングツールを超え、チームの潤滑油としても機能し得る、新しいタイプのパートナーと言えるのかもしれません。

もし、あなたもチーム開発における、こうした「見えないストレス」やコミュニケーションの難しさに心当たりがあるなら、Devinがその解決の一助となるかもしれません。AIと協力して開発を進める新しいスタイルを、ぜひあなたのチームでも試してみてはいかがでしょうか。


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